The Quest · No.01

その先を、決めるのは自分。

夢を追えば、壁にぶつかる。 迷う日も、立ち止まる日もある。 それでも、その先へ。 新しい世界女王への五つの問い。 勝った瞬間の景色、歩き続けた年月、 そして次の世代へ渡したい言葉。

ローマ、2026年 — 頂に立つ
タイトル2026 世界チャンピオン
種目ポケットビリヤード・10ボール
舞台イタリア・ローマ
取材The Quest · 2026年8月

舞台はローマ。Banca del Fucino WPA 女子10ボール世界選手権を制したのは、マーガレット・フェフィロバ・スタイヤーだった。子どもの頃から追いかけてきた夢が、ようやく現実になった。

Q: 優勝が決まった瞬間、頭に浮かんだのは誰の顔、どんな光景でしたか。

この質問は、胸に迫るものがありますね。浮かんだのは、私のためにたくさんのものを諦めてくれた人たちの顔でした。両親、夫、家族。ずっと私を信じてくれた人たち。そして、もう会えない祖父の顔。きっと誇りに思ってくれている。それは、はっきり分かります。

構えの一瞬

Q: プロとしての歩みを振り返って、いちばん心に残っているのは何ですか。

何度やめようと思ったか、もう数えきれません。始めたばかりの頃に「続けなさい」と背中を押してくれた両親。そして「もう一度、扉を叩いてみよう」と言い続けてくれた夫。この人たちがいなければ、私はずっと前にキューを手放していたと思います。

どれだけ支えてくれる人がいても、この道はほとんどの時間、ひとりで歩くものです。頭の中の声に勝てるようになること。自分の思考を、自分の手で操れるようになること。それができた時、人は本当に強くなります。

自分の思考と向き合い、メンタルを磨いてきた時間は私の誇りです。今の結果があるのは、その積み重ねのおかげだと思っています。

「頭の中の声に打ち勝ち、自分の思考の手綱を握る。それができた人は、誰よりも強くなる」

Q: 戦い続けてきた年月のなかで、自分のどこがいちばん変わったと感じますか。

身体も心も、強くなりました。走るようになり、ジムで身体をつくり、そこにメンタルのトレーニングを重ねてきました。そのすべてが、今回の優勝につながっています。身体も心も弱いままでは、あの長く、消耗する試合を最後まで戦い抜くことはできませんでした。

表彰台、ローマ
Banca del Fucino WPA 女子10ボール世界選手権

Q: 頂点に立った今、その先に見える景色も変わったはずです。これから、プロとしてどんな夢を描きますか。

これはすぐに向き合わなければならない課題です。新しい目標をどこに置くか、という課題。世界チャンピオンになることは、ずっと私の夢で、前に進む力そのものでしたから。

あとは腰を落ち着けて、次の目標を決めるだけ。まだまだ試合に出たい気持ちでいっぱいです。自分の力を出し切ったとも思っていません。伸ばせるところも、学べることも、まだいくらでもあります。「二度の世界チャンピオン」。その響きも、悪くないですね。

「人生を変える一勝は、数えきれない敗北から生まれる。」

Q: 世界一を夢見るジュニアたちへ。伝えたい言葉をお願いします。

いつか世界チャンピオンになりたいと願う子どもたちに、どうしても伝えたいことがあります。